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物と精神

詩・小説・批評・哲学など テーマは「世界と自分のあり方」全体です

    瞬間の美餐

温かく美味しいものを

冷たい皿に盛って出そう

今宵、光は妖精の夜

人間達は羽をもがれて苦しそう

神様は自分だけの草笛をぴいぴいと鳴らし

人間世界に"風"として送り込んでいた・・・

温かく美味しいものを

冷たい皿に盛って出そう

今、君が目の前にいるこの瞬間(とき)に

この一瞬に

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   偶像のように

何一つしでかさないものが

全てを呪う権利を持つ

彼は生きている間中、喚き散らし

死ねばさざ波のように消えてゆくだろう・・・

人の生死は様々だが

君はさざ波であってはならない

死の後に価値の高まるような

そうした偶像のような存在でなければならない

君が 他ならぬ

    長い旅路

自分より大きなものに導かれて

人は長い旅路を行く

自分が愛する者や自分より大きな仕事に導かれて

人は長い旅路を行く

今、僕の航路にあなたが出てこようと

それは僕の邪魔にならない あなたの妨げにもならない

何故ならあなたは僕を糧とし 僕はあなたを糧とし

より大きな偉大なものに導かれてゆくから

そうして人は長い旅路を行く

どこまでも・・・どこまでも・・・

   一片の瓦礫

 僕達は不幸を目の前にすると、臆して、立ち止まり、ああはなりたくはないと思う。他人の不幸を目の前にすると、自分はああならなくては良かったと感じる。ところが、実際に不幸に陥った人は、それを傍で見ていたより不幸でも辛くもないことに気付く。傍で見て、苦痛だろう、辛いだろう、と見ていても、実際の苦痛はいつも予想された苦痛より少しだけ小さいのだ。そして不幸に陥った人はもはや、そこからーーー不幸から、傍で見ていた自分の姿に戻りたいとは思わないだろう。それは何といってもひとつの運命であり、それが不幸であろうと幸福であろうと(不幸は幸福から生まれる)それを所有しているという事に変わりはないのだ。今や彼は(彼女は)持たざる者に帰りたいとは思わないのだ。彼(彼女)は今や一つの運命である。他人からどう見えようと、彼(彼女)にとっては一つの人生なのだ。彼(彼女)は一つの生の権利を行使したのだ。他人からは幸福に見えようが、不幸に見えようが、それはもはや一つの人生、運命なのだ。

 現代は様々な観念が流れている。それによって我々は苦痛に対する恐怖を極度に高められている。そのために我々は人生に入ってゆけない。絶えず人生の夢を見ることは強制されているが、人生そのもの入ってゆくことは恐ろしく、ためらわれるため、みんなニの足を踏んでいる。みんな、ああなりたくはないと思う。そしてなにものにもなることができずに人生がーーー人生の権利の行使の場面である生そのものがーーー終わってゆく。

 僕達はいつしか普遍的なものを目指すことに慣れていた。気が付かない内に。人生とはーーー平穏な家庭、順風な社会生活、幸せな老後ーーーそんなものがあるかは知らない。かわいい彼女、優しい彼氏ーーーーいつしか、その「人」ではなく、その条件に合致する人、物事を求めていた。だがそんな人物や物事はどこにもない。テレビの中にしか。何故なら、それはやはり一つの夢であって、夢がどれほど現実と似ていてもそれは違うものだ。彼(彼女)は繰り返し夢を見て、それに見合う現実を探し、そして現実が夢と違うことに失望してこれを投げ捨てるだろう。そしてそれを永遠に繰り返すだろう。そして僕らは何一つ辿りつけず、徒労の人生ーーー人生を夢みた生を繰り返し続けるだろう。さて、僕はここで言ってみたい。どんな壮大な夢よりも手に入れた一片の瓦礫の方がーーーそのぬくもりがーーー実感の方がーーー大切であると。

   一つの運命

君自身が一つの運命となれ

どんな嘲弄も苦難も

所詮は君自身を証する一つの道具にすぎない

僕自身が一つの運命となれ

お前の生涯を輝かそうなどと思ってはならない

お前はどうせ、苦難の道を行くのだ 人に笑われて

だからこそお前自身が輝くのだ

一つの運命となれ 人々よ

不幸を怖れずに

不幸はお前達を輝かせる背景にすぎない

一つの運命となれ

   人の手より

お前の手がそこにあると

俺の心は温まるのだ

ひどく開かれた気持ちになって

この世の善事や悪事なども

いつもほど気にならなくなって そしてただ

お前の手を握りしめるのだ・・・

お前は機械(ロボット)

だがそれでもいい 何故なら

人間の手より温かいのだから・・・

   世に鳴らせ

遠い闇よ

夜の闇よ

お前の太鼓を鳴らせ

・・・言葉はいつも途切れて

俺の歯はボロボロだ

遠い闇よ

夜の闇よ

お前達の歯形自身をきっちり合わせ

この世の中にぎしぎしと鳴らしてやれ

この薄く透明な世の中に

この淡い光の世に

    道

私の歩みが

私の人生を決定する

人は

何もしていない前には「無理だ」と笑い

何かを成し遂げた後には

「彼には才能があった」と安堵するであろう

どちらも関係ない

私の歩みが

私の人生を決定する

ただ人はそれを理解すれば良い

そして私の屍を越えて行けば良い

私の歩みが

私の人生を決定する

目の前に道が開けていないという事が

私にとっての唯一の「道」なのだ

    "光"


太陽が光り輝いて見えるのは

私の内面が光り輝いているからだ

私の眼が外側に私の内なる光を見て

太陽は私の眼を通して私の内に差し込んでくる

どちらも明るいから"光"が完成するのだ

      君はそこに

雨降れば、君はそこに

風止めば、君はそこに

僕はどこにでもいる

君の中にも 僕の中にも

雨降れば、君はそこに

風止めば、君はそこに

      微笑う

君が微笑うと

僕も笑う

世界が笑うと

君も微笑う

だから、僕は世界を笑わせることにしているんだ

君が微笑うと

僕も笑う

    僕と君だけが

君と出会ってから

今日で丁度、一年だ

世間は荒波に揉まれ

世間は荒波を吹き起こし

そんな風に一年が過ぎていった・・・

君と出会ってから

今日で丁度、一年だ

世間は何にも変わってやしない

僕と君だけが変わったんだ

      夕陽のひととき

朝焼けの微笑の中を

お前の頬が通る

一度は抱いたお前の頬も

今や朽ち果てている御様子

俺は昔のお前を嘆いて

自分の老顔を忘れるのだ

今や、陽は西へと傾き

それは人々の来世を忘れて

「今このひととき」を楽しんでいた・・・

       君を思う

光と影の国を想って

お前は紅茶を啜っている・・・

僕はタバコをくゆらせて

いかれたイタリア人を気取っている

君の髪は栗色 それは淡い・・・

それを奴らは下らぬと称し 黒髪に塗り替え

車窓を飛び出し去って行った・・・

今、僕は一人で君を思っている

   「大人の顔」と「赤ん坊の微笑」

光と風は紡がれて

空の中で弾けて散る

今、滔々(とうとう)と波は揺れ

君はうたた寝を始める

昨日見た夢の続きを

君は夢の中で演じて見せる

それは悪夢の続き・・・君は怖ろしい顔をして

僕にしがみついてくる

僕はよしよしと頬と髪を撫で

君は赤ん坊の微笑へと帰る・・・

光と風は紡がれて

空の中で弾けて散る

君はいつまでも赤ん坊の微笑

僕は大人の顔になって

いつまでも君を見つめていた・・・

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