FC2ブログ

物と精神

詩・小説・批評・哲学など テーマは「世界と自分のあり方」全体です

   少女の歩み

僕の心が休む丘に

一人の少女が立っている

少女は髪を結わえながら

丘の先の町を見つめる

「世界はもう滅亡してしまったんだ・・・」

そんな事を思った矢先に

本当に隕石が降ってきて町はぼろぼろに

少女は結わえていた髪をほどいて

精悍に町に向かって歩き出した

スポンサーサイト



      分析

光は色彩の中で音楽を奏で

肩を曲げながら右へと曲がった

空は自分流の音楽を雷によって

人は踊る事によって表していた・・・

全ては音楽であり詩である朝

人だけが分析を止めなかった

  出生

僕は存在しないのだ

その事は昔から知っていた

今、それが露わになっただけだ

僕は存在しないのだ

今、誰もいない夜の中

ひとり自慰に耽る僕は敗者の中の敗者・・・

そんな事はとっくに先刻承知だ

僕は不在の人間だ

それが今こうしてここで生まれようとしている

    存在しなかった者達へ

存在しなかった者達よ

今更嘆いても仕方あるまい

世界はとうに終ってしまったのだ

君達が出てきたところで

どうにもならなかったことは必至の受け合いだ

存在しなかった者達よ

今更どうにもなるでもない

世界は神に

ガン切開手術を受けることを宣告されたのだ

今ほらこうしてカップラーメンをすすっている男が一人・・・

手始めにあの男から始めようか?

   世界の終わりの後の朝

世界はゆっくりと終わっていく

それは俺の眼には

新しい朝のように美しい

それを認識する者は誰一人としていない

何故だか俺の眼にだけは見えている

どうしてそうなったのかは分からない

だがクッキリとハッキリと俺の眼にはそれは映る

世界はゆっくりと終わっていく

新しい朝焼けや最後の夕陽の光芒のように

それは醜い者達を全て焼き尽くして

こうして美しいものとして終わってゆく・・・

と、突然俺は目が覚めて

今日の宿題をし忘れたことを思い出した

   スカートの翻り

自殺を尊重し

光を怖れ

一体、お前は何を思うのか・・・

風景はいつだって真昼だ

それも死者や亡霊達が飽いた墓場の上

その上を燦々と太陽が降り注ぐ・・・

そういった風景だ

今更、俺のスカートが翻ったといえ

誰も俺の顔を見るまい

   迷い

雪は四散し

俺達は帰途に着いた

・・・河は流れた

光はまだ帯のようだ・・・

それでも俺達は「酒」を止めなかったし

「女」はどこにも一人もいなかったので

河の魚を慰みに遊んでいた・・・

そんな辛い過去もとうの昔

今、俺は絞首台の前に立って昔の事を思い出しながら

ぼんやりと考えあぐねている所だ

   子供の遊び

死体を弄んでいる子・・・

あの子にも「死」の意味がわかるのだろうか?

・・・おそらくそうに違いない

彼女は死体の目をつまんで

ボールのように転がして遊んでいた

俺はただそれをじっと見ていた・・・

やがては親がやってきて

衛生的な人の殺し方を教えるに違いない・・・などと考えながら

    出勤風景

古い絶望の上に

俺達の廃墟が立っている

「今更どうなるものか・・・全てはもう遅いのだ・・・」と誰かの嘆きが

古い牧歌のように流れて行く・・・

と、俺は急に夢から覚めて

現実という奴に帰ってくる

朝、俺が人並みに出勤するためにヒゲを剃ると

アゴに二本の血筋が現れて

俺はそいつらを撫でながら優しく笑った

   架空の雪

雪は天使の足跡のように

僕らの魂に響いた

光は不可思議な透明な色をなぞって

俺達の魂を導いてくれる・・・

今、ふいに「あのエロゲやり忘れたなあ」とか

「あのアニメ見忘れたなあ」とか思い出す僕は

一体、どういう存在だろう?

・・・今宵も雪が降る

おそらく僕の目にしか見えない架空の雪が

無限の太陽

雨が上がる前には

遠くで歌が聴こえるだろう

僕の涙は乾いてもう濡れない

・・・光は久々に射した

今、夜を透明な小舟を浮かべて

静かにしずしずと一人で渡って行く時

君が対岸で呼ぶのが聞こえる 「危ないよ!」と

僕はその言葉通りに落っこちて・・・死ぬ

だからこそこうして蘇って君に出会えるという訳だ

死の後の快楽の生を胸に抱いて 僕は

無限の太陽の中を突き進む

世界の終わりの瞬間(とき)

透明な僕の孤独が

夜の中に浮かび上がると

君は一つ、くしゃみをする

君は鼻水をすすりながら

寒空の下、歯を磨いている僕を想う

もう、世界は終ってしまったのだ・・・

そんな夜もあったのだ、と

誰かがプンクトを付ける

そうして僕が生まれる

今、君に出会えた

ここはどこだ?・・・世界がガラリと音を立てて

崩れ落ちる やがてやってくる朝を迎えるように

両手を開いて

   残った旋律

詩人は歌を歌う

それを誰にも止めることができない

物識りの大学教授や文学通は

耳が聞こえず目も見えないために

歌を聞こうとはしない

私はここで歌を歌う 誰もそれを止めることはできない

例え私をここで殺害したって

私が残った旋律は消えないのだ

   元へ

全ては失われた

ガラスの破片のように

今、問答無用の胸中の中

俺は一体何を思うのか?

・・・誰も知ることのない言葉が

俺の胸をかすめてゆく

俺はまた、独りだ・・・

俺の孤独だけが俺の真実を

知っている

誰知ることのあろうない砂漠を

旅人姿の"俺"が歩いてゆく

乾いた風は西から東へ・・・

全ては再び元に戻ろう

   1月1日

言葉が透明な線をなぞって

さて、俺はどこへ行こうというのか?

こう、乾いた午後じゃ

グレープフルーツジュースも飲めやしない

人々の沃野に疲れ

俺自身の絶望に還ると

何故、こうも豊かなのだろう

この世の地獄は?・・・と

時々思うことがある

それが今日だ

このカテゴリーに該当する記事はありません。