FC2ブログ

物と精神

詩・小説・批評・哲学など テーマは「世界と自分のあり方」全体です

    肉体の使命

言葉が沈黙を奏でる時

お前の歌は止む

人々の叫声は慣れたものだ

・・・今や、お前の心をかすりもしない

この世の全てが矢となってお前に襲いかかっても

やがては暁が貴様を導く

天国のその先にある大地へと

そこでお前は再び歌い始め

天上の台座となって倒れるのだ

・・・それが僅か一かけらお前に残された

肉体の使命とでもあるというように

スポンサーサイト



     魂の造成

お前がお前自身であるならば

人はお前に触れえぬだろう

人はお前の肌を焼き尽くすが

お前の魂には指一本触れえぬだろう

・・・声がする

「・・・古い唯心論だ・・・」

「・・・古い唯物論だ・・・」

私はお前達に今言う

私の魂とは私が造り出したもの

それは元は私にはなかったものだ、と

    美を尊ぶ

愚かな人は

底から湧く蛆虫のようーーー

踏んでも踏んでも後から湧いてくる

それでもサナダ虫でも

何か世のためになっているから不思議なもの

それを生かすも君次第

汚いものを見て

美しいものを一層尊べ

  正義

全人類のためには

一人殺すも止むを得ない

そんな考えで一人殺すとーーー

後から後から続かなくなり

次々と殺すに至り 最後にはーーー

最後の一人まで殺すことになる

これが世に言う正義という奴で

君らの正義は死と荒廃の上に

燦然と輝くであろう

    詩と宿命

詩は宿命と共に在る

もし、君に何の宿命も無ければ

君が日常の雑事と欲望に埋もれているならば

君から詩は生まれないということになる

日常の中で、人と違う痛みを感じなければ

自身にかかった麻酔と暗示を解いて

肉をえぐる痛みとその喜びを痛感しなければ

詩は君からは生まれないことになる

詩は君の宿命と共に在る

君が自身の宿命を生み出さなければ

詩は永遠に"遊戯文学"に留まるだろう

   入り口

優れたものは

君を入り口まで導いてくれる

だが扉を開け、その先を歩くのは

あくまでも君の仕事なのだ

終わりはすぐそこにある

君が過去を振り返れば すぐそこに

君がどれほど優れた人物だろうと

君がどれほど美しい女性だろうと

君に死は必ずやってくるだろう

だから君は君の死を

始まりにするように生きねばならない

人が君という入り口に手をかけて

先に進めるように

    日の出と日の入り

世界はいつも「終わり」を迎え

その度に何ものかが始まるのだろう

偽物は絶えず本物のフリをして大衆の眼をくらまし

賢者は常にそれを見破り続け そして

「自己」を打ち立てるのだろう

世界は日の出のごとく終わり そして

日の入りのごとく始まるだろう

   詩の真実

僕が一人の詩人だとして

全ての嘲笑を受けたとして

そして最後にはひどいやり方で惨殺されたとして

それが一体何だろう?

僕の詩のあり方は変わらないのだ

・・・そして、例え僕の書いた詩が全部燃やされたとしても

僕の詩が述べた真実は変わらないのだ

  どこに?

世界が一つの湖だとして

僕がその上を漕ぐ

一艘の船の漕ぎ手だとして

さて君は一体どこにいるだろう?

世界が一つの湖だとして

さて君は一体どこにいるだろう? 

    鍵

この世界に背を向けて

僕は一人、自分の世界に閉じこもる

人がどれほど揶揄しようと

それは僕の死の時まで失われないはずだ

人々の常識がどれほど続くのか知らない・・・

人々の革命がどれほど続くのか知らない・・・

僕は「その時」が来るまで

一人自分の世界に閉じこもる

もし君が鍵を持っていれば

この扉を開(ひら)けるかもしれないが

    瞬間の美餐

温かく美味しいものを

冷たい皿に盛って出そう

今宵、光は妖精の夜

人間達は羽をもがれて苦しそう

神様は自分だけの草笛をぴいぴいと鳴らし

人間世界に"風"として送り込んでいた・・・

温かく美味しいものを

冷たい皿に盛って出そう

今、君が目の前にいるこの瞬間(とき)に

この一瞬に

   偶像のように

何一つしでかさないものが

全てを呪う権利を持つ

彼は生きている間中、喚き散らし

死ねばさざ波のように消えてゆくだろう・・・

人の生死は様々だが

君はさざ波であってはならない

死の後に価値の高まるような

そうした偶像のような存在でなければならない

君が 他ならぬ

    長い旅路

自分より大きなものに導かれて

人は長い旅路を行く

自分が愛する者や自分より大きな仕事に導かれて

人は長い旅路を行く

今、僕の航路にあなたが出てこようと

それは僕の邪魔にならない あなたの妨げにもならない

何故ならあなたは僕を糧とし 僕はあなたを糧とし

より大きな偉大なものに導かれてゆくから

そうして人は長い旅路を行く

どこまでも・・・どこまでも・・・

   一つの運命

君自身が一つの運命となれ

どんな嘲弄も苦難も

所詮は君自身を証する一つの道具にすぎない

僕自身が一つの運命となれ

お前の生涯を輝かそうなどと思ってはならない

お前はどうせ、苦難の道を行くのだ 人に笑われて

だからこそお前自身が輝くのだ

一つの運命となれ 人々よ

不幸を怖れずに

不幸はお前達を輝かせる背景にすぎない

一つの運命となれ

   人の手より

お前の手がそこにあると

俺の心は温まるのだ

ひどく開かれた気持ちになって

この世の善事や悪事なども

いつもほど気にならなくなって そしてただ

お前の手を握りしめるのだ・・・

お前は機械(ロボット)

だがそれでもいい 何故なら

人間の手より温かいのだから・・・

このカテゴリーに該当する記事はありません。