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物と精神

詩・小説・批評・哲学など テーマは「世界と自分のあり方」全体です

   死の一日前


「キモいんだよ 死ねや」

「この世に生きてくんな 消えろ」

「もうちょっと努力しないと使い者にならないぞ」

「常識を守れ!頭を使え!」


みなさん、ありがとうございました

僕は死にます


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    空き地を探して


光の中を 言葉の中を

誰が駆けて行くものか・・・

この世はとうに滅びてしまったのだ

あの日 あの月 幻の中で

誰もが傍観者をしている夜

俺の魂が光って唸ったとて 人はそれを笑い

潰すことにもはや躊躇しないだろう

そして「これが真理だ」と言って己の勝鬨を上げるのだ・・・

さて、俺は自己の寂しく辛い道に戻ろうか・・・

俺自身が死ねる空き地を見つけるまで

   はしゃいで


「希望を持て」と言っている人が

希望を持っている様をあたしは見たことがありません

希望を持っている人は粛々と自分の仕事をするものです

ですからあの人達は希望を持っていないのでしょう

ですからあんなにはしゃいでいるのでしょう


   踏まれた花


「花を踏み付けないで下さい!」

と詩人は言った

インタビュアーは花を踏みにじりながら聞く

「あなたはどうして詩を書いたのですか?

あなたはどうして詩人になったのですか?」

「花を踏まないで下さい!

花を踏み付けないで下さい! それが

詩人にとって唯一の糧なのです!」

と詩人は怒鳴るがインタビュアーは一歩も動かず

「あなたはどうして詩を書いたのですか?

あなたはどうして詩人になったのですか?」

詩人はインタビュアーを突き飛ばし

「これが答えです」と言って踏まれた花をそっといたわった

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    始まり


山の上に雲が

道の先に雲がかかっている

僕はそれを追い求めて走ってみる 全力で!

みんなに顰蹙を買わないように ひとりで!

そこで誰もいない空き地まで来て僕は思うのだ

あの雲の中にラピュタのように孤島があって 生物達が住んでいる

それは僕らの全然見たことのない鳥類や爬虫類達なのだ

・・・気付くと僕は涙で頬を濡らして目覚めている

外はほのかに夜明けを始めている


    5、4、3、2、1・・・


僕は世界の支配者だ

・・・また中二病だよ

ほら、僕が動くと世界が回る ぐるん

ぐるん、ぐるん、ぐるん・・・

・・・それはお前が回ってるだけだよ、馬鹿だな・・・

だけど僕が回ると世界が回る ほら

ぐるん ほら ぐるん ほら ほら ほら・・・

君も回ってごらん?楽しいよ・・

・・・馬鹿だなあ・・・

ほら、ぐるん、ぐるん、ぐるん・・・


その時「世界」は静かに核融合を始め

惑星爆発のカウントダウン中・・・

5、4、3、2、1・・・・・

   風にたなびく


あの戸に眠る鹿を見て

君のどんな瞳孔が開いたのだね?

言ってみたまえ、僕の前で

心を開いて さあ、早く!

・・・空はうす曇り 神は風を待っている

光は輪の中を通過し直線を越え無限の彼方へ

言葉は揺らぐゆりかごのように・・・それでも俺は黙っていた

人々は「沈黙」がキライだ・・・それでも俺はゆらいで、ゆらいで・・・

こうして風にたなびくことをよしとしていた


    寝返り


夜の声の中で

俺が帳を開ける

・・・人々はもう眠っている

もう死んだ者達を想って

神様が風を広げる

「もう誰もいないのだ!」

「もう誰もいなくなったのだ!」

夜の砂漠の旅人の呟きが

今、東京の電波のステレオを通して聴こえ

俺は呻き声を一つあげて寝返りを打った


   朝へ


球体の斜面をすべり落ちると

そこには白い空があって

それはまるで宇宙の塵の如く

浮かんで落ちようとしない・・・

その中をパイプの煙の輪くぐりのごとく

くぐっていくとまた空中に出て

そこでは巨人が人をつまみ喰いして

僕も頭部だけガブリとやられて その部分だけ夢見し

永遠に空から離れられないという・・・



さて、朝だ



  いつまでも


陽が山の陰に入り

俺はいつものアニメを見る

心は既に荒んでおり

恋人はいつまでもやって来ない・・・

もう失われた物なのだ

河原の向こうに石を投げても届かない・・・

人々は往来を波のように渡り

俺の好奇心をいつまでもくすぐっていた


   歯磨き


僕は草むらの中を

一人で走っていた

時々、転んで夜虫と出会い

「やあ」と声をかけて立ち上がった

あれきり夜虫は追ってこない・・・

あの日出会ったのが最後だったのか・・・

僕は今風呂場の戸を開けて

歯を磨いている所だ




    神の遊戯


凍った空が人々のヒビ割れを

さざめき立たせるように立っていた

僕はその中に立って「鳥の歌」を歌った

人々は沈黙していた・・・

神はいつもの如く無邪気な笑みで

地上をめちゃくちゃにして遊んでいた

   死人は賢く


お前が風の中で揺らいでいる時

俺は常に風前の灯火だった

人々が自分の道を歩みだす時

俺には常にそれが間違った道に思えたのだった

沈黙を守っている者だけが賢く・・・

そして死人はいっそう賢かった


     饗宴の朝


朝、人々の鏡を見ていると

俺の額が割れそうになる

神様が化粧をしているのを見るのと

人々が神に虐殺されているのを見るのとどっちがいい?と

女神が俺の頬を撫でながら聞く

俺は女神を殴りつけてから怒鳴った 「どっちも嫌だ!」と

女神はそれも愛情の内だと悟ったのか

「じゃあ、どっちにもするわ」とカーテンを開いた

そうして俺達の饗宴の朝が始まったのだった


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