FC2ブログ

物と精神

詩・小説・批評・哲学など テーマは「世界と自分のあり方」全体です

あなたへ

私が死んだら

きっと、誰かが葬式で泣く

でも、本当に泣いてくれるのはあなただけ

私が馬鹿な事をしたら

周りの人、みんな怒る

でも、本当に私の事を想って叱ってくれるのは

あなただけ

あなただけ、あなただけ

そう、あなただけ

あなたは一体、どこにいるの?

見えない場所で私を見てる?

スポンサーサイト



 風
 
 二世帯住宅の裏にはゴブリンが住んでいるんだって

「神谷さんもこの話、聞いたことあります?」

 「「食べてもいいよ」だって。優しいね」

 「うん、そうだね」(誰に?)

 (神に)いいえ、私に。

 君も、うまくやったようだね(ようやく、これで十歳だよ・・・)

 韻律を間違えてはいかんよ(ひい、ふう、みい、よう・・・)

 それで?それで?

 それで、言葉がさ・・・もつれてさ・・・

 「楽しく食べることを規範としなさい」

 俺は外を眺めた そこは

 「夜」だった

答え

 それが何だというなら君は納得するのだ?

 誰もが問いを欲しがる そして

 答えは忘れられている


 (僕が答えだよ)

 (上手く答えられるかわからないけど、やってみよう)

 (僕が答えだよ)
 
 (僕が最終地点だよ)

 (人類のたどり着くべき最終極点だよ)

 (僕が答えだよ)

 
 君が答えだ それでうまくいくなら

 うまくやってみせると君は言う そして君はずっこけたあと
 
 霧のせいでこけたんだと言う

 だから僕は怒ったんだ!
 
 あの時

 (あの時?)

 (あの時っていつだ?)

 「あの時」は「あの時」だよ

 (君は)

 (幼い子供に言い聞かせるように言ってもまだ)

 (わからないようだね)

 (だって僕ら大人だもん!)

 (だって僕ら大人だもん!)

 コーラス だって僕ら大人だもん!

      だって僕ら大人だもん!

 
 それで・・・答えは?

              *
 僕は涙を拭いた なぜなら

 頭が悪かったから

 頭が悪いから泣かないといけないというのは現代の悲劇だ

 (そんな悲劇はデュオニソス的などうたらこうたら・・・)

 (あれ!またあの大学教師出てきやがった)

 (とっちめてやる!こうして!こうして!)

 (「えー、次の講義は英語です」)


 「上手くやったつもりか?」

 「ああ、まあな・・・」

 「それでほんとに上手くやったつもりか?」

 「ああ、まあな・・・」

 「それでは君は何も解っていないということになるが、それでよろしいか?」

 「ああ、まあな・・・」

 「同じことを繰り返し言っているのでは成長する見込みはない。ほら!ちょっと飛んで

みろ!」

 「ああ、まあな・・・」

 「ビシッ!」

 「ああ、まあな・・・」

 「ビシッ!」

 「ああ、まあ・・・」

 「ビシッ!ビシッ!ビシッ!・・・・・・・・」
 
             *
 ((それで・・・どういうことだっけ?))

 ((それが・・・もう忘れてしまったんだよ・・・))

 ((「忘れた」ってどういうことだよ・・・ほら、もう一度・・・))

 「はい、忘れました」

 「もう一度」
 
 「はい、忘れました」

 「もう一度」
 
 「はい、忘れました」

 「もう一度・・・もう一度だ・・・」

 「はい、・・・・・・・・・・・・・」

             *
 僕は君が誰か知っている

 君は誰だ?

 僕は答えを探し求めて歩いている 今や

 その答えが出たようだ

 「答え」は君だ

列車の外

仕事帰りの列車の中は

僕の魂の抜け殻が落ちている

その人々の黒服の中で

僕の魂の抜け殻は叫ぶ

「ここはどこだ!ここはどこだ!」と

しかし人々の沈黙の耳には聞こえない

だから僕もイヤホンで耳を閉じて

列車の外を眺めている

安らぎ

 家の中で僕は時々狂っている

 家の外では迷惑になるから

 家の中で狂うことにしている

 ところで全然狂わない人達は

 本当に誰にも迷惑をかけていないのだろうか?

             *

 己の恐怖と戦わない者には

 どんな安らぎも訪れない

死者の眼差し

 僕の遺骨は誰からも拾われない

 家族も 親友も 恋人も

 皆僕にとって他人だから

 誰も遺骨を拾わない


 僕が病床で眠っている時

 「さっさと死ねばいいのに」と恋人は言った

 僕の二十年来の親友は

 「もう迷惑をかけるなよ」と言った


 ところで僕は不覚にも生き残ってしまい

 不治の病が治ってしまった

 だから誰も僕の所に来ない

 これでようやく僕は天涯孤独になれた


 人々が迷惑そうな顔つきでこっちを見ている

 「何で生き残ったんだ」と悲しそうな顔をして

 僕はその中を悠然と歩いて行く

 死者の眼差しをもって

  

 夜の歌

 
 市場で売られた俺の分身が

 今日も夜の戸をノックする

 開いてやれば入ってき俺を抱いて

「お前はもう終わりだ」と囁く

 それで俺が悲しみを堪えて眼(まなざし)を上げれば

 そいつは笑って窓から消え去り 俺は

 一人残って夜の歌を歌うのだ 永久に・・・

 

 
 私は無限の涙を注ぐ

 私の肉体の上に

 私のもう失われて取り返しのつかなくなった肉体に

 私は無限の涙を注ぎ続ける

 
 人々は笑っている 私は泣き続ける

 私の涙が途切れても人々は笑い続けている

 それを「地球」が笑っている


 私は泣いている・・・ 


 

調子

 俺に自殺は禁じられている。悲劇はもう無いのだ。濁った空が悲しみを俺達に伝える時ーーー俺達は何を笑えばいい?
 俺は知っている、そのことを。未だ明けやらぬ空の調子を。

月の光

RIMG3567.jpg
悲しい地獄の光のなかで

僕は一体何を奪われたのだ?

もう取り返しのつかない全てのものは

今になって一体何を恵んでくれる?


君らが僕に優しい光を投げかけた所で

僕にはもはや「肉体」は残っていないから

せめてその光を草木に分け与えて

月の輝きを僅かでも増しておくれ


そして僕の失われた肉体が地下で疼き始める時

それらのものは一層強く光を放つだろう

僕の手の中で

RIMG3563.jpg

僕が失った全ての物を足しても

この地球全部にはならない

それはこの宇宙全体よりずっと大きいから

僕の手の中には余っている

君の手

RIMG3384.jpg

メロディが言葉となって流れる時

僕の魂は病に伏せっている

それでも君は僕に声をかけこう言う

「あなたは死ぬべきよ やっぱり」

そして僕がその通り実行しようとすると

君は止める 僕の手を

聞こえない

RIMG1452.jpg



「終末」が僕の中に見え 人々の中を横切る時

 僕は眼差しを落とし足早に過ぎ去る

 人ごみの中に紛れても孤独は付き纏い

「君」の声が聞こえない
 

通勤

 
 朝は空中の音楽

 一杯のコーヒーは地獄への入り口

 満員電車で僕は神を見る

 そいつは線路に排尿していた

 僕の死体が転がっている鉄道を

 横目に見ながら僕は改札を通り越す

 死体の上を

 何故そうなのかは分からないが

 何故かそうしてしまうことがある

 何故そうなのかは全くわからないが
 
 何故かそれをしてしまうことがある

 
  村の天使達は自殺した

  明日は雨、いや晴れだ

  村の天使達は自殺した

  明日は雨、いや晴れだ?


 何故そうなのか全くわからないが

 僕はそうしてしまった

 目の前に無数の死体がズラリ

 僕がそれをしてしまったことに気付かないまま

 人々がその上を渡ってゆく

このカテゴリーに該当する記事はありません。